古来より日本人は、自然とともに暮らし、自然の恵みを生活に取り込むことで、豊かな文化を育んできました。自然現象や植物などを図案化した伝統文様もそのひとつです。家紋や着物などに受け継がれてきた文様は、日本の文化や歴史を反映した意味を持ち、幸運への願いが込められています。
たとえば、水が流れる様子を線で表現した「流水」は、流れが厄を流し、よどむことのない「清らかさ」を意味し、蔓が伸びていく様子を表した「唐草」は、蔓の生命力から「長寿」や「繁栄」を意味しています。
佐賀県にある「城島旗」は、旧長崎街道沿いにて100年以上前から端午の節旬の武者幟(のぼり)や大漁を願う大漁旗など、祝いを彩る染を伝統技法により手がけてきました。のりで模様を描き、刷毛でむらなく染め、乾燥したらのりを洗い流すという「本染め」の技法で、ひとつひとつ染め上げています。
さらに、4代目である城島守洋氏は、古来より受け継がれてきた文様を次世代に伝えたいという思いから、独創的なアート作品を生み出しています。大胆なデザインと鮮やかな色彩で、現代に息づく伝統文様をご覧ください。