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今森光彦写真展「カマキリの不思議」
今森光彦写真展「カマキリの不思議」
写真家、今森光彦(1954~)は、熱帯雨林から砂漠まで世界を旅し、そこで出会った珍奇な昆虫たちを写してきました。本展では、世界各地のカマキリの写真を集め、今森と昆虫の貴重な出会いのかずかずをご覧いただきます。

写真展「カマキリの不思議」の開催に寄せて
写真展「カマキリの不思議」の開催に寄せて
昆虫の中でいちばん表情が豊かなのは誰でしょう。そうたずねられたら、私は、迷わずカマキリです、と答えるでしょう。 カマキリは、肉食で生きた昆虫などを捕らえて食べます。大きなカマを持っていて動きはとても機敏です。
カマキリは、頭部と胸部がくびれていて顔の向きを自由に変えることができます。それと、胸部と腹部の関節も柔軟である程度曲げることもできます。なので、それらの節を使うと進行方向に対して後ろ向きの姿勢をとることもできるのです。これは、他の昆虫ではちょっと真似のできないことで、名ハンターならではの裏技です。
それと、もう一つの特徴は、カマキリの仲間は、木の葉に隠れたりする擬態の名手でもあることです。また、鳥などの天敵に対して体を大きく見せてすばらしい演技も披露してくれます。
個性あるカマキリたちは、まるで玩具箱から飛び出したような生き物。みなさんにそんなユニークな横顔を見ていただけると嬉しいです。
今森光彦

今森光彦 Mitsuhiko Imamori
今森光彦 Mitsuhiko Imamori
1954年滋賀県生まれ。大学卒業と同時に写真家を志し、独学で写真を学ぶ。1980年から本格的なプロ写真家としての活動を始める。ライフワークとして、身近な自然の中に生きる昆虫や、それにかかわる自然環境を、自らを里山環境におきながら追求している。
1974年にボルネオを訪れて以来、東南アジア、中南米、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどの辺境地を訪問し、撮影、取材を続けている。