1925(大正14)年に出家し、行乞の旅の中で俳句を作り続けた漂泊の俳人“種田山頭火”(1882~1940)。棟方志功に師事した秋山巌(1921~2014)は山頭火の句に出会い、「山頭火によって私の心は開眼された」といいます。以来、秋山は山頭火の句をモチーフにした木版画に挑戦し、制作し続けました。本展では、秋山の木版画に、「拝啓、山頭火さま」からはじまる、秋山から山頭火へ宛てた心のメッセージを添えて展示いたします。
■秋山巌 あきやまいわお
■秋山巌 あきやまいわお
1921(大正10)年生まれ。大分県竹田市で育ち、37歳で太平洋美術学校に入学。その翌年に棟方志功に師事し、日本板画院の会員となる。棟方志功四大弟子展にも参加。
日本板画院の退会後、種田山頭火の句集『草木塔』に出会う。以後、山頭火の句の世界観を表現した作品を制作し、国内外で多くの個展を開催した。2014(平成26)年、永眠。
種田山頭火 たねださんとうか
種田山頭火 たねださんとうか
1882(明治15)年、防府に生まれた、自由律俳句の代表的俳人。ふるさとで俳句に触れ、“自由律俳句”という五・七・五にこだわらない自由なリズムの俳句を作るようになる。
1925(大正14)年に出家し、翌年、放浪の旅に出る。句友に支えられながら、漂泊の旅と一時の定住を繰り返し、1940(昭和15)年、松山に構えた庵で生涯を終えた。旅と句と酒に生きた山頭火の俳句は、今も人々を魅了し続けている。